宣伝会議賞の哲学

宣伝会議賞を通して、コピーライティングのあるべき姿を考えていきます。

課題分析 32.トレンドマイクロ

第55回宣伝会議賞課題分析シリーズ、第32回は・・・

 

32.トレンドマイクロ
ウイルスバスター for Home Network が
日本中のご家庭で使われるアイデア

 

応募期間終了後ですが、この課題のテーマが、
NHKスペシャで取り上げられていました。

「あなたの家電が狙われている ~インターネットの新たな脅威~ 」
https://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20171126

國村隼さんの怪しげなナレーションを差し引いても、
社会に与えうる影響は、かなり深刻なようです。

 

さて、この課題へのアプローチですが、
単純に、問題を描けばいいのでは。

問題は分かっているが変えられない、
って場合は、それは無効でしょうが。
(ECCの「あるあるネタ」とか。)

 

中心は、家電等IoT機器のセキュリティ

有害サイトのブロック機能といった、
他の機能もあるけど、どうだろう?

「子供が怪しいサイトに」みたいなの、
宣伝会議賞では多くなりそうな気が。
が、ブロック機能は他の製品にもある
そういうコピー、それでも効くのかな?

端末ごとか家庭まるごとかの違いは?
たしかに違いはあるし、真っ当かも。
有効性が端的に伝われば、ありかな。

ただ、せっかく特徴のある製品なので、
IoTをテーマにしないのはもったいない

 

問題の描き方は、いろいろありそう。

実際に起きうることを具体的に、が基本。
ウェブサイトとかで使うことを考えれば、
機器の種類ごとにコピーがあってもいい。

問題そのものの描写だけではなく、
受け手の感情に働きかけるものを。

家庭内での個人的な問題だけではなく、
社会的な影響を扱うのも考えられるけど、
漠然としすぎないようには注意したい。

脅し系は個人的には好きじゃないけど、
この課題では全否定はできそうにない
ただ、そうじゃないものも見てみたい。

 

テレビCMは、独創的なものが出るかも
ことばによる説明中心のものではなく、
実際に起きうるシーンを見せてほしい。
びっくりするようなアイデアに期待。

 

私がSKAT掲載作品を読んでいて嫌なのは、
問題の描写自体を楽しんでいる感じがすること。
おもしろいこと自体は、悪いことじゃない。
でも、問題の描写を楽しむ企業は共感されない
受け手の意識をコピーの外に向かわせて、
自分の幸せにつながると感じてもらわないと。

 

明日は、「課題33.ニチバン」。