宣伝会議賞の哲学

宣伝会議賞を通して、コピーライティングのあるべき姿を考えていきます。

課題分析 39.フェリカネットワークス

第55回宣伝会議賞課題分析シリーズ、第39回は・・・

 

39.フェリカネットワークス
電子マネー未利用者、もしくはカードでのみ電子マネー
を利用している人が「モバイル(スマートフォン)」で
電子マネーを利用したくなるアイデア

 

電子マネーについては、このウェブサイトをご参考に。
https://kuchikomi0.com/

 

この課題、ターゲットを分けて考えてみると・・・。

 

まず、電子マネー未利用者」の場合。

現金中心の人か、クレジットカード中心の人か、
それによっても違ってくるかもしれない。
が、カード払いの定着率は低そうなので、
現金による少額の支払いを主に想定しては。
「すべて電子マネー」じゃなくてもいいわけで。

ただし、単に現金払いを否定するだけでは、
定着した支払い習慣は変わらないのでは。
あくまで、「スマホ電子マネー」の魅力を。

現金との比較でなら、訴求点はいろいろ。
ポイントが付くとか、小銭不要とか。

また、カード型電子マネーとの違いは、
実際の広告に使用して効くかだけで言えば、
この場合はキャッチでは必須ではないかも
ボディーで「スマホ電子マネー」を推せば。

ただ、キャッチフレーズ単独で考えると、
違いが反映されていないと評価しづらい。
スマホ電子マネー」固有の魅力に基づく、
「現金払いの代替」としての提案、が理想。

 

次に、「カードでのみ電子マネーの場合。

こちらの方が、考えるべきことはシンプル。
訴求点は、オリエンのポイント③を参照。
また、現金でチャージしているとすれば、
スマホの方がよりキャッシュレスになる。
その辺りも考えてみてもよいかも。

それから、各種電子マネー固有の機能は?
例えば、モバイルSuicaの改札機能とか。
キャッチフレーズだけでは分かりにくいか。
「作品意図」を明記すれば・・・どうかな?
スマホ電子マネー」一般が基本線だけど、
具体性がある方が人を動かしやすそうだし。

 

また、具体的な用途に絞るのもありそう。
いきなり全部じゃなくて、きっかけとして
例えば、自動販売機なんかは・・・、が、
これだとカード型でも、ってことになるか。

 

ちなみに、脱現金が進んでいる国もあるとか。
例えば、「スウェーデン 脱現金」で検索を。

脱現金への潮流は、個人的な利便性だけでなく、
社会的なニーズによるところが大きいみたい。
そういう大きなテーマを掲げるのもありそう。
ただ、それで個人の習慣を変えられるかは微妙。
これはもう、広告より戦略PR向きのような。
社会政策みたいなのも必要なのかもしれない。

 

この課題の解決には、情報量が結構必要。
キャッチフレーズの場合は、表現以前に、
どんな役割を持たせるかの選択が鍵に。
CMは具体的なシーンを描ける分、有利か。

 

複雑になりがちなことを簡単にできるか。
単に何かを指摘するだけにとどまらず、
人を動かす可能性にまで到達できるか。

 

明日は、「課題40.福屋不動産販売」。