宣伝会議賞の哲学

宣伝会議賞を通して、コピーライティングのあるべき姿を考えていきます。

第12回文化放送ラジオCMコンテスト 聴戦ガイド 1.シー・アイ・シー

「聴戦ガイド」、いよいよ本編を始めます。

 

第1回は、シー・アイ・シー

 

◆実質的「ゴキブリ縛り」は解除されるか?

何年にも渡り出題が続いているこの企業、
何と言ってもまず気になるのがこの点。

私がこのコンテストに初参加したのは第9回。
それ以降、ゴキブリ以外はなかったような。

それ以前はどうだったのか、調べてみました。
といっても、ネット上にあるのは受賞作だけ。
ノミネート止まりは、公式には出ていない。
第1回と第2回は、結果発表すら発見できず。

その調査の結果、第3回のグランプリ作品が、
ゴキブリ限定ではない害虫を扱っているのが、
知りうる限りでは、唯一の例外のようです。

ゴキブリだと演技してもらいやすそうだし、
聴き手の想像力を使って20秒に収めやすい。
応募者も予選審査員も、そっちを選びがち。

が、この点はぜひ確認しておきたいのですが・・・。

課題文言が「ゴキブリ縛り」だったことはない。

主要賞の常連だったこの企業の課題も、
ここ2年はやや低迷している感は否めず。
既聴感(?)があるか、無理気味かで。
そろそろ、ゴキブリ以外も聴いてみたい。

 

◆今回の課題文言の解釈

上記の点に関連して、今回の課題文言の意図は?

過去3年の課題文言を見ると、害虫対策に加えて、
「食品工場の衛生管理」が挙げられていますが、
今回はこのテーマはなくなってしまいましたね。
前回までなら、本来は「HACCP」とかも可だったはず。
応募がなかったのか、選ばれなかっただけなのか?

今回は、課題が害虫対策に絞られました。
そして、注目すべきはこの文言でしょう。

 

 弊社はゴキブリやシロアリなどよくある害虫だけでなく、
 様々な害虫に対応することができます。

 

過去3回の課題文言より、一歩踏み込んだ感じ。
普通に解釈すれば、「よくある害虫」ではなく、
「様々な害虫」の方をテーマにするべきですよね。
「ゴキブリNG」とは明記されていないとはいえ。

これでもし、3作品すべて「ゴキブリ」だったら、
今回は、さすがに問題だと思うのですよ・・・。
応募者と予選審査員、両方の良識が試されます。

 

◆「様々な害虫」をどう表現するか?

ゴキブリに比べて、圧倒的に難しくなるのがここ。
聴き手側が声で想像できる状況が限られますしね。
例えばヒアリをネタにした演技って、想像しにくい。

ここは、青二の声優さんの活かし方はさておき、
他のコンペでも通じそうなものを考えた方が得策か。
その上で、何か声や音のアクセントが加われば。

それから、ゴキブリの場合だとどうしても、
嫌な方の状況を描いてしまいがちですよね。
「ゴキ減」という例外はあったとはいえ。

今回はできれば、こっちを表現してみたい。

 

 「気軽に・・・ご相談していただけるような」

 

当然のようでいて、忘れがちかもしれないし。

 

明日は、「2.東京タワー」。