宣伝会議賞の哲学

宣伝会議賞を通して、コピーライティングのあるべき姿を考えていきます。

第56回宣伝会議賞 課題分析 6.牛乳石鹸共進社

「課題分析シリーズ」、第6回は、牛乳石鹸共進社

 

◆「赤箱」とはまったく別物

「やさしさ」という共通項こそあれど、
古くからある「赤箱」とは正反対の、
「これまでになかった感じ」だし、
「泡」という明確な訴求点もあるし、
ターゲットも明らかに違いがある。
SKAT掲載作品を真似るのは無効。

 

◆とにもかくにも期待感

ボディーソープって、多くの人は、
同じ商品を使い続けているのでは。
ならば、ブランドスイッチが必要。
「濃密泡のクッション」を基に、
圧倒的に期待感を高められれば。
ややこしい言い換えじゃなくて。
「試してみたい」となるかどうか。

 

◆「何となくすごい」はスルー

実際に使わないと分かりにくいからか、
「何がすごいか分からないけどすごい」
みたいな広告が世の中に溢れているような。
石鹸やボディーソープの場合で言えば、
「肌がきれいに」とか「美しく」とか。
でも、多くの消費者には無視されていそう

宣伝会議賞では、ここからさらに、
ややこしい言い換えに走る始末。
うさんくささが増すだけでしょ。

また、挙句の果てにでっちあげた、
蓋然性が低すぎる自慢話も不可
「姉ちゃんがすごくなった」的な。
怪しい宗教の勧誘じゃないんだから。

 

◆理想はシズル

作りやすさや選ばれやすさはともかく、
最大の効果を出しうるのはシズルでは。
キャッチフレーズ単独では必ずしも、
泡の説明は入れなくてもいいのかも
つながっていることは必須だとしても。
実際にどう使われるかを想定すれば、
ビジュアルとセットで伝わればいいし、
必要ならサブキャッチを入れてもいい。
キャッチフレーズならではの機能を

ちなみに、「濃密泡」というキーワード、
内容はいいとして、字面の印象が気になる。
雰囲気も含めて「メッセージ」を設計したい。

 

次回は、「7.京セラ」。