宣伝会議賞の哲学

宣伝会議賞を通して、コピーライティングのあるべき姿を考えていきます。

第56回宣伝会議賞 課題分析 24.大同メタル工業

「課題分析シリーズ」、第24回は、大同メタル工業

 

◆一般論に逃げない

課題の性質は、前回の大同特殊鋼に類似
その一次審査通過作品を見てみると、
「知られていないが役に立つ」とか、
「実は身近な所で使われている」とか、
「いろんな未来の可能性がある」とか、
他の技術でも当てはまるものが多い
その程度でよければ、出題は不要では。

審査員の方にも問題がある可能性も。
そういうコピーの方が「分かる」ので。
でも、課題解決力があるかは別でしょ。

 

◆サービス精神を

同じく大同特殊鋼の作品を見てみると、
続きを読みたくなるものは少ない

すでに複数の課題の分析で書いた通り、
「ベネフィット」のない企業広告では、
「目的を達成する大喜利を求めたい。
読んで単純に楽しんでもらえるものこそ、
「すべり軸受」への関心を高めるはず。

 

◆キャッチフレーズの役割

キャッチだけで課題解決できれば最高。
でも、もしそれができそうになければ?

期待する効果を低めに設定してしまえば、
キャッチフレーズだけでも成立はする。
でも、それでは出題の意味がないでしょ。

ボディーやビジュアルの助けも想定して、
課題解決の大きなフレームを設定する
そういうものの方が価値が高いのでは。

まずはもっと続きを知りたくなり、
伝えるべきことにつながっていて、
最終的には記憶に残す効果もある、
それがキャッチフレーズなのでは。

 

◆キャラクター化は有効

そういう意味では、このアプローチ。
「すべり軸受」をキャラクターに見立て
何かを描いてみるとか言わせてみるとか。

この場合、キャッチ単独では理解しにくい。
それが、残りにくい大きな理由なのかも。
でも、他のパーツで「落とせる」のなら
上記のような役割を十分に果たせるはず。
単独で理解できても、機能しなきゃ無駄
宣伝会議賞では主流の考え方ではないけど。

 

◆キャッチで「総合」は必要か?

「総合」は特に、興味を引く要素ではない。
必要なら、ボディーで普通に言えばいい。
キャッチに入れる必要はないんじゃないか。

 

次回は、「25.大和証券」。