宣伝会議賞の哲学

宣伝会議賞を通して、コピーライティングのあるべき姿を考えていきます。

課題分析 2.アサヒグループホールディングス

第55回宣伝会議賞課題分析シリーズ、第2回は・・・

 

2.アサヒグループホールディングス
アサヒグループの研究開発力を表現するアイデア

 

 

第1回に引き続き、イメージが湧きにくい課題。
正攻法で、達成すべきミッションを考えると・・・。

 

おおざっぱに言えば、広告を見た結果として、
「ああ、そんないいことやってる会社なんだ」
と広く思ってもらう、ってことですよね。
その結果として、継続的に取引が出来たり、
投資の対象になったり、就職先に選ばれたり。

で、今回はさらに、「研究開発力」がベース。
あくまでも、実際の研究内容に立脚していないと。

 

次に、何か個別的な材料に着目するか、
研究開発全体を貫く何かをテーマにするか。

前者の場合は、単なる紹介だけでは寂しい。
無駄にややこしくするんじゃなくて、
関心を高めるか、価値を増幅するか。
数を出しやすいのは、これだと思います。

後者の場合は、抽象的になりすぎないように。
また、発見の欠如をややこしさでごまかさないこと。
例えば、「環境は大事」をややこしくしても無意味。
まずは、何らかの核心に迫らないことには
その上で、手垢のついていない表現で価値を増幅したい。

 

仮に実際に広告を打つとして考えると・・・。
継続的に広告を打てるだけの財力はあるはず。
であれば、単発のアイデアより先にシリーズの枠組み
そういう役割を果たせるコピーがいいのでは。
個別的な材料は、ボディーでいいわけですし。

 

コピーのスタイルとしては、エピソード系は疑問
それって一般性があるの?そもそも本当なの?
いいことをうさんくさく言うの、やめません?
文体は、真面目じゃなきゃいけないかはともかく、
へらへらした感じとか幼稚な感じとかは避けたい

 

それから、ビールと絡める人が多そうだけど、
ビールはあくまでも「踏み台」にとどめたいところ。
「ビールもやっている。○○もやっている。」では、
半分はビールのことだし、「○○」の紹介だけだし。
「ビール抜き」でも勝負できるくらいじゃないと。
最近、余計な「序詞」でごまかす作品が多すぎるし。

 

CM案は、課題1と同様、いいコピーありき。
私は「発見絶対主義者」ではないですけれど、
それでも、この課題では発見が欲しい

 

ちなみに、出題企業に対する社会的評価は高いらしい。

http://toyokeizai.net/articles/-/133130

元々高い評価を毀損しないよう、くれぐれも。

 

ただ、広告上手かどうかでいえば、うーん・・・。

例えば、企業ウェブサイトの各種コンテンツ、
「紹介」にとどまっていて、メッセージ性が弱い
(まあ、だいたいどの企業もそうだろうけど。)
オリエンにある「口下手」は、謙遜ではなさそう。
強いメッセージを打ち出せれば、喜んでもらえそう。

 

明日は、「課題3.アットホーム」。