課題分析 3.アットホーム
第55回宣伝会議賞課題分析シリーズ、第3回は・・・
3.アットホーム
中古物件の魅力を伝えるキャッチフレーズ
今回は、中古物件関連の課題、多かったですね。
これほど明らかに世相が反映されるのも珍しい。
まず、解決すべき課題の捉え方が2つあるのでは。
「情報不足」か「新築信仰」か。
私はこの2つ、少なくとも一旦は、
分けて考えるべきだと思っています。
ただ、企業の捉え方は違うみたいです。
課題グラフィックは、明らかに前者寄り。
が、オリエンは、①からして後者寄り。
つまり、企業はこう考えているのでは。
「新築信仰を情報提供で解決しよう。」
もちろん、これはこれで、ありでしょう。
例えば、「中古の方が立地が良い傾向」は、
認知していない人もけっこういそうだし。
が、情報提供すればいいってわけじゃない。
例えばね、「中古の方が安い」ってこと、
知らない人なんて絶対いないですよね。
それをわざわざややこしく言っても無効。
さらに、相手によっては、ですけれど、
情報を積み重ねるだけでは効かないかも。
「新築信仰」をGoogleで検索してみると、
37万件以上ものページがヒットする。
もちろん、新築信仰にも変化が、とか、
言われているほど強くないでしょ、とか、
そういう趣旨のページも含まれてはいますが。
参考になりそうなページを1つ挙げておきます。
https://www.excite.co.jp/News/column_g/20150709/Bizjournal_mixi201507_post-3584.html
・・・と、ここまで書いておいてなんですが、
「新築信仰」の中身をちゃんと吟味しないと。
その中にある合理的な要素と不合理的な要素。
そこを見極めることが課題解決の前提かと。
じゃあ、不合理的な要素をどうするのか、
そこは大変難しい問題ではありますが・・・。
過去の宣伝会議賞の傾向から考えると、
多くの人が課題を単純に捉えそう。
でもね、それで課題が解決できるなら、
とっくの昔に解決されているのでは?
カード払いが普及しきれないのも然り。
もっとも、不動産価格も上昇していますし、
情報量で解決するチャンスではあるのかも。
その他の論点をいくつか。
まず、「中古がいい」と「中古でもいい」は違う。
課題グラフィックにあるリストでは両者が混在。
ちゃんと区別して考えなきゃいけない。
それから、オリエンのポイント3の後半は危険。
谷山雅計さんの「読本」に出てくる例の、
「古本の涙の跡」みたいにならないように。
明日は、「課題4.イエシル」。