宣伝会議賞の哲学

宣伝会議賞を通して、コピーライティングのあるべき姿を考えていきます。

課題分析 10.キッツ

第55回宣伝会議賞課題分析シリーズ、第10回は・・・

 

10.キッツ
バルブを身近に感じるアイデア

 

いかにもダジャレが多そうな嫌な予感。
「バブル」、「キッツきつ」等々・・・。

それでバルブをイメージできるとは思えないし、
「身近に感じる」の意味が違う気がします。
大阪の会社ならともかく(完全に偏見)。
「国内外を意識」とオリエンにありますし。

 

それから、つぶやき系は課題に合わない

つぶやきコピーでつぶやく内容って、
基本的に消費者側の思いですよね。
企業が消費者に伝えるべきことを、
遠い目をしてつぶやくのはおかしい。

消費者はバルブのことをつぶやかない。
誰がつぶやいているのか、を考えれば、
この課題でつぶやくのは不自然なはず。

 

では、ここまでの論点を盛り込んで、
宣伝会議賞っぽいダメコピーの例を・・・。

バブルがはじけたのは、
バルブをキッツきつに
締めなかったからだと思う。

もう我ながら意味不明・・・。

 

「バルブがなかったらこうなる」は、
多くの人は考えたことはないでしょう。
でも、知らないけど重要なものはある、
それくらいは誰だって想像できますよね。
それを殊更に指摘する感じは避けたい

むしろ、バルブの働きをチャーミングに
そういうアプローチの方が好かれそう。

 

個別的な例の方が分かりやすそうだけど、
それで広い活躍の場がイメージできるか
課題を矮小化するのはいかがなものか。

 

これはこの課題だけではないのですが、
キャッチフレーズだけで、は無理がある

「コピーだけで分からないとダメ」
みたいなことがよく言われていますが、
私はその主張にかなり懐疑的です。
「だけで分かる」の境界が不明確だし、
意味は分かるが課題解決にならない
そちらを優先的に批判するべきでは。

 

この課題では、課題解決の鍵に集中したい。
バルブってどういうものかを親しみやすく
キャッチフレーズで興味さえ引ければ、
具体的事例はボディーでもいいでしょ。

 

ラジオCMは、イメージが湧きにくそう。
イデア主導のテレビCMを見てみたい。

 

明日は、「課題11.キヤノンマーケティングジャパン」。