宣伝会議賞の哲学

宣伝会議賞を通して、コピーライティングのあるべき姿を考えていきます。

課題分析 17.骨粗鬆症財団

第55回宣伝会議賞課題分析シリーズ、第17回は・・・

 

17.骨粗鬆症財団
骨粗鬆症が自分や身近な人に関わることだと
考えてもらえるような広告アイデア

 

私が最初にこの課題について考えたのは、
どこまでやればいいのか、ということ。
例えば、「AIDMA」で考えると、とか。

 

こういう健康関係の課題でよくあるのが、
知っているけどやらない、ってこと。
その場合は、どう行動させるかが鍵。

でも、この課題はそうじゃないようです。
よく知らないとか、自分事じゃないとか、
そっちの方をまずは変える必要がある。

「考えてもらえる」という課題の文言に、
「防災意識」みたいな曖昧さを感じて、
当初は中途半端なようにも思えたけど、
この課題はこれでいいんじゃないかと。

実は私自身、課題の文言を読んで、
健康診断のオプションであったら、
やってみようかな、と思ってます。
知っていれば受診する人、多いのでは。

何より、重要性に関心が追い付いていない。
まずは、関心を高めることを最優先で。

 

脅し系のアプローチは、できれば避けたい
特殊だとか大袈裟だとか思われかねないし。

また、課題の性質上、広く伝わらないと
ターゲットを絞りすぎないようにしたい。

宣伝会議賞っぽい、回りくどいのもダメ
特に、「小話始めます」みたいな感じの。
特殊で面倒な話という印象を与えてしまう。
というか、エピソード系はすべてそうかも

 

なじみがないことが問題なのですから、
受け手の想像力が働きにくいと想定。
直接的に関心を喚起する方が効くはず。

それこそ、宣伝会議賞での評価はともかく、
課題やオリエンの文言に沿う方が効くかも
「実は何人に一人に骨折のリスク」とか、
「実は骨粗鬆症は要介護の大要因」とか。

 

「オリエンそのまま」みたいな批判が、
一次審査員の講評でよくありますけど、
SKAT掲載作品の方が効くかは怪しい
うさんくさいエピソードにしただけとか。
特にこの課題の場合、上述した通り、
エピソード系はむしろ効きにくそうだし。

普通だけど、最も効きやすいことば。
そういうのも、もっと評価されてほしい。

 

CMの場合は、「受診してみよう」まで。
受け手の中に、前向きな気持ちを残したい

 

ちなみに、次の課題の参考図書として、
戦略PRの本が挙げられていますが、
この課題も、「戦略」かはともかく、
PRとの親和性はありそうですよね。
というか、PRでいければその方が。

ただ自分事化してもらうだけではなくて、
社会性のあるメッセージも考えてみては。

 

明日は、「課題18.コンカー」。