宣伝会議賞の哲学

宣伝会議賞を通して、コピーライティングのあるべき姿を考えていきます。

課題分析 23.セゾン自動車火災保険

第55回宣伝会議賞課題分析シリーズ、第23回は・・・

 

23.セゾン自動車火災保険
“なんとなく”で自動車保険を選んでいる人たちに、
「おとなの自動車保険に加入したい!」
と思わせるキャッチフレーズ

 

まず、前回までタグラインとして使われていた、
「40代・50代にうれしい」が消えています

「35歳過ぎたらおとなの自動車保険」、
「60代も節約できる理由」等々で、
より広い年齢層を取り込みたいのかも

とはいえ、明示されてはいない以上、
「40代・50代の保険料を割安に」
を中心に考えざるをえないでしょうか。

 

それから、年齢以外の面から考えると、
ターゲットは他の自動車保険の加入者
自動車保険に未加入の人ではなくて。

自動車保険の加入率は、このページを参照。

https://www.hajimete-carhoken.com/jidosyahoken/kiso/20/

未加入の人もそれなりにいるとはいえ、
オリエン等を読む限り、企業としても、
そこを狙うのは無理気味という判断か。

 

また、一般的な年齢条件については、このページを。

https://www.hajimete-carhoken.com/jidosyahoken/hokenryo/357/

つまり、他の自動車保険であっても、
20歳と40歳は違うってことです。

 

市場背景については、以下のページをご参考に。

http://www.sankei.com/premium/news/170930/prm1709300001-n1.html
https://news.goo.ne.jp/article/toyokeizai/business/toyokeizai-176696.html?page=1

 

では、これらを踏まえて・・・。

キャッチフレーズの役割としては、
切り替えに関心をもってもらうこと。
多くの人は、切り替えを面倒に感じそう。
そして、決断にはボディーの情報も必要。
ならば、まずは「考えてみなきゃ」まで。

 

で、「考えてみなきゃ」の理由は、
保険料の安さしかないような気が。
細かい中身は、「決める理由」で。

ただ、安さ自体は普通に言えばいい
安さをややこしく言い換えている作品、
SKATによくあるけど、無駄では。
ウェブサイトの「いくら節約できた」を、
ボディーに目立つように入れさえすれば、
その方がずっと効きやすいと思います。

 

あとは、それを「考える」につなげたい
そこをどうするか、ではないでしょうか。

「こんなに損してもったいない」とか、
「家計にとってこんなに大きい」とか、
何か感情に訴えかける要素が欲しい。

あ、カスタマイズの有効性もあるかも。

 

なお、「1歳刻み」にはこだわらない方が
合理的だけど、どう得か、伝わりにくそう。

代理店系とは、保険料の水準が違う。
他のダイレクト系と比較すれば、
事故率の低い40代・50代は割安。
その方が伝わりやすいと思います。

 

切り替えの面倒さを乗り越えるだけの、
優位性への自信が伝わるようなものを。

 

明日は、「課題24.セメダイン」。