宣伝会議賞の哲学

宣伝会議賞を通して、コピーライティングのあるべき姿を考えていきます。

課題分析 27.大同特殊鋼

第55回宣伝会議賞課題分析シリーズ、第27回は・・・

 

27.大同特殊鋼
大同特殊鋼のことを、
より多くの人に知ってもらうアイデア

 

この課題、スキップした人も多そうですね。
が、あなたには企業の叫びが聞こえないか?

あの、やぶれかぶれの課題グラフィックから!

こういう課題こそ意気に感じて取り組む、
それが「宣哲精神」っつうものです。

 

ただ、難しい課題ではあります・・・。

現在掲出されている広告を見ると・・・

http://www.daido.co.jp/about/release/2017/0810_advertisement.html

正直、お世辞にも印象的とは言えない。
苦労しているのがよく伝わってきます。
真っ先に思いつきそうなアプローチ。
受け手に対して働きかける力が弱い。

宣伝会議賞では、こういうのは無意味。
「正しさ」よりも「驚き」への挑戦を。

 

まず、オリエンのポイント④はあるけど、
特殊鋼をテーマにするのが本筋でしょう。

具体例を挙げるか、特殊鋼全般か。

 

前者の場合は、紹介だけでは弱い
知らないが役に立っているもの、
そういう存在ぐらいは想像できる。
「なかったら困るでしょ」みたいに、
それを殊更に言われてもねえ・・・。
好奇心や感情に働きかけるものを。

 

後者の場合は、もう捉え方次第
例えば、企業ウェブサイトの、
次の文言が参考になるかも。

加える元素の種類や量によって、
まるで生き物のように性質を変える素材。
http://www.daido.co.jp/about/recruit/university/recruit/message.html

言い当てるのがコピーじゃないけど、
未知の事への関心を引き出す上では、
比喩に基づいて、は有効になりそう。
「言い当てそのもの」ではなくて。

いずれの場合も、チャーミングじゃないと。
好きになってもらえれば、効果があるはず。

 

ただでも分かりにくいわけですから、
それをさらにややこしくしないこと。
「身近にある」を複雑に言っても、
受け手にとっては面倒なだけでは。

 

特殊鋼以外をテーマにするとすれば、
実用的なのは採用につながるものか。
人材確保が目的に思える節もあるので。

 

宣伝会議賞のことだけを考えると、
マイナーなテーマを扱う人もいそう。
実際、それで一次審査を通過するかも。
でも、それって何の価値があるの?

 

「特殊鋼」自体に対する興味を引き出す
それはいつかは取り組むべき課題のはず。
あくまでも、そこが中心であってほしい。

 

明日は、「課題28.ディーエムソリューションズ」。