宣伝会議賞の哲学

宣伝会議賞を通して、コピーライティングのあるべき姿を考えていきます。

課題分析 30.東京証券取引所

第55回宣伝会議賞課題分析シリーズ、第30回は・・・

 

30.東京証券取引所
ETFの魅力が伝わるキャッチフレーズ、テレビCM

 

まずは、いくつか参考資料を。

 

ETFの基礎知識は、東証のパンフレットを。
http://www.jpx.co.jp/equities/products/etfs/data/tvdivq0000004xpi-att/pamphlet.pdf

 

次に、課題で言及されている市場調査の最新版
http://www.jpx.co.jp/corporate/news-releases/1120/nlsgeu000002p6ij-att/20170929-01.pdf

ちなみに、この資料、私には疑問だらけ
例えば、23ページのデータの解釈、なぜそうなるの?
調査対象者はその2点を認知していなくても保有している、
ってことは、その2点はむしろ訴求効果が弱いのでは?
それに、各要素間の数字の違いも大きくないし、
無理やり「平均」で区分するのが有効とは思えない。
しかも、「上場商品である」ことの認知度が、
ETF保有者ベース」で51%って、おかしくね?
保有者は、上場市場で買ってるはずなのに。
ちゃんとした調査会社がやっているみたいですが・・・。

 

最後に、オリエン担当の吉田貴弘氏のインタビュー
http://viibar.com/doken/case/etf
http://viibar.com/doken/case/etf2

紹介されている動画は、つっこみどころ満載。
でも、そういう狙いで作っているのでしょう。
「入口」を作らないことには、ってことで。

 

さて、今回の課題の話に入ります。

 

ターゲットは、「投資経験を問わず」
専門的ではない、分かりやすいものを。

 

ETFってどんなものか何ができるか
それを伝えることが中心になりそう。

 

また、主に株価指数連動型を想定したい。
メジャーな指数がオーソドックスだけど、
特殊な(?)指数への興味を入口に
というアプローチも否定はできない。
投資経験者向きかもしれないけど。
例えば、「MSCI日本株女性活躍指数」や、
MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」。

昨今の社会状況では、疑問もありますが・・・。
https://onewayinv.com/index/post-3943/

「定義」を求められているわけじゃないし、
分かりやすくするために、「日経平均」とか、
具体的な指数の名前を入れてみるものあり

 

「株のように売買できる投資信託
という捉え方がオーソドックスだけど、
投資信託をベースにしたこの理解は、
投資経験者向けのような気がします。
投資信託から入る人が多そうなので。

投資信託が何かわからない人にとっては、
むしろ株と比較する方が分かりやすそう
株なら誰でも、ある程度は想像がつくので。

 

怪しい儲け話だけはやめてほしい
あと、宣伝会議賞でありがちなのが、
課題解決にならない側面への言及
例えば、「日銀も購入している」とか。
それでETFの何が分かるのでしょうか?
日銀が買っているから安心ってこと?
いや、そんなはずはない、っていうか、
あってはならない、が、ちょっとありそう。

https://style.nikkei.com/article/DGXMZO19460550R30C17A7000000?channel=DF280120166593

ただ、それは本来あるべき理解じゃない
東証がそんなことを広告で言うのはなし。
それに、ETF固有の話ではなくなるし。
同じ指数に連動する通常の投資信託にも、
結果的には反映されてくるわけですから。

 

「テレビCM」は、実際は「ウェブ動画」のはず。
上記の実例から考えても、説明的なものではなく、
関心を持ってもらい、もっと知りたくなるものを。
オリエンのポイント④は、真に受けるべし

 

「正しさ」だけでなく、「親しみやすさ」を。
また、宣伝会議賞だから特殊なことを、ではなく、
課題の要求を満たすものが評価されてほしい。

 

明日は、「課題31.東放学園」。