宣伝会議賞の哲学

宣伝会議賞を通して、コピーライティングのあるべき姿を考えていきます。

課題分析 37.ビデオマーケット

第55回宣伝会議賞課題分析シリーズ、第37回は・・・

 

37.ビデオマーケット
VODサービスの「ビデオマーケット」を
皆さんに知っていただくためのキャッチフレーズ

 

本課題の前に、まずは前回のFODの課題について。

SKAT掲載作品を見ると、漠然としたものが多い
VOD(FODじゃなくて)って便利だね、とか、
「おもしろい」をわざわざややこしくしたものとか。

私自身も何をやればいいのか判断できず
言われなくてもある程度魅力は分かるし。
FODを選ぶ理由も限られそうだし、
普通に言う方がいいような気もするし。

そんな中、鬼平犯科帳」は偏差値が高い
実際にありそうなニーズを掘り起こしていて、
分かりやすいし、実際に使えそうだし。
児島令子さんが誉めてらっしゃいますね。
受賞しても全然おかしくなかったと思います。
企業はもっと間口の広いものを求めたのかな?

 

さて、今回のビデオマーケットの課題に入ります。

 

課題の焦点は、「VODっていいね」ではなく、
「VODなら『ビデオマーケット』」のようです。
ですから、前回の作品は参考にならないはず。
「ジャンル」で考えるの、もうやめません?

といっても、細かい差別化に走るのではなく、
「でーん」とした圧倒的な存在感が欲しい。

 

「一般映像作品配信数NO.1」を中心に。
消費者にとって、大きな訴求点になるはず。
それをどう料理するか、難しいけど・・・。

「簡潔で耳に残る」も、実用的には必要では。
宣伝会議賞では無視されがちですが・・・。

「マルチデバイス対応」は、いまや当然でしょ。
だとすると、そこは訴求点にはならないはず。

 

他のVODサービスをけなしてみたところで、
ビデオマーケットの存在感が上がるとは限らず。
むしろ、嫌な印象すら与えかねないような。

「アダルト」ネタが多数出てきそうだけど、
アダルトが本数に含まれているとかいないとか、
そういう細かい点をキャッチにしていては、
「簡潔で耳に残る」ものにはならないし、
本サービスの存在感を打ち出せそうにない。

 

「VODなら『ビデオマーケット』」は、
単純ながら非常に的確なオリエンでしょう。
が、「簡潔で耳に残る」と合わせて考えると、
作るのは容易ではないという印象です。

あくまでも、本サービスを肯定的表現で
どういう認知を獲得したいのか、が鍵。
細かい点を捨て、端的で思い切ったものを

 

明日は、「課題38.FIXER」。