宣伝会議賞の哲学

宣伝会議賞を通して、コピーライティングのあるべき姿を考えていきます。

第56回宣伝会議賞 課題分析 19.清水建設

「課題分析シリーズ」、第19回は、清水建設

 

◆ロボットとの協働自体/派生するメリット

ロボットとの協働自体の魅力を描くか、
そこから派生するメリットを描くか。

 

◆派生するメリットの場合

こっちは、典型的には時短でしょうかね。
課題でも触れられているわけですから、
時短の効果は確かにあるはずなのですが、
どこまで具体的に言えるかは微妙ですね。
ロボットだけで解決する問題でもないし。
また、どの企業もやるべきことでもあり。
ありがちな表現で埋もれないように注意。

また、ロボットをビジュアルに入れても、
ぱっと関連が分かるコピーじゃないと、
せっかくのロボットが活きなさそう。

これはもう、普通に言えばいいのでは。
宣伝会議賞での評価を抜きにすれば、
「ロボ時短。」ぐらいでどうですか?
文字を大きくできるのもバカにできず。

逆にダメなのは、時短エピソード。
「時短」と言えばメリットは分かるって。
わざわざ妙なエピソードにしなくても。
「何円OFF」とか言えばいいだけなのに、
別の事にお金を使った話を作るのと同じ。
無駄にややこしくて分かりにくくなるし、
一般性が失われ、自分事化されにくいし。

 

◆ロボットとの協働自体の場合

私としては、こっちを推してみたい。
まず、これ自体に新奇性があるので、
これを前面に出す方が注目されやすい。
また、とにかく楽しさが伝わりそう
他の広告に埋もれることを避けやすい。

それに、時短等の派生するメリットも、
ある程度は想像できる気がするんですよ。
ボディーで普通に書いてもいいですしね。

建設現場で働く人を増やす課題ですから、
受け手が自分を投影できる表現が望ましい。
というわけで、ここは「一人称」を推奨。
ただし、「未来の自分」ですからね。
あまり遠い目はしないように・・・。

 

◆ポジティブ側を

この課題の場合、問題の方を描いても、
報道等でそういう描写に慣れているため、
直観的に解決のイメージが湧きにくそう。
ポジティブな方が、好感されそうですしね。

 

◆喩えに注意

あくまでも「自律型ロボット」ですから、
「ラジコン」に喩えるのは不可でしょう。
ミッションは人間が与えるはずですが、
あとはロボット自身の判断による作業

同じ理由で、「ロボコン」もよくない。
自律型のコンテストもあるようですが、
ラジコン型をイメージしがちでしょ。

 

次回は、「20.ジャパンホームシールド」。