第56回宣伝会議賞 課題分析 38.日本アルコン
「課題分析シリーズ」、第38回は、日本アルコン。
◆競合優位性
私はコンタクトレンズを使ったことはないですし、
一般的なケアがどういうものか分からないので、
課題商品のAmazonのレビューを参考にしました。
すると、「面倒じゃなくて楽」がとにかく多い。
まずはここが訴求すべき競合優位性でしょう。
標準で6時間、冬場はもう少し時間がかかる。
また、最後に別途「すすぎ」をする人もいる。
それでもなお、圧倒的に楽になるようです。
オリエンのポイント3の4つの特長の中で、
特長1、2、4は、主観や程度の問題もあり、
「ブランドスイッチ」につながりにくそう。
明確に違いを出せる特長3に集中したい。
◆メリットがシンプルに伝わるか
広告が商品をややこしくしてはいけない。
ぱっと「楽かも」と思ってもらえるか。
本来なら、普通に言えればいいのですが、
「こすり洗い不要」はNG表現に指定。
おそらく、この特定の表現だけに限らず、
「比較広告」はNGということでしょう。
競合商品を直接的に否定する表現は特に。
あくまでも、本商品自体のメリットを。
◆キャッチフレーズの役割
商品ジャンルや使い方の概要の説明は、
ボディーに入ると想定していいのでは。
何の広告かが分かる程度の商品写真も。
キャッチは、「楽」に集中してみたい。
また、課題37と課題の性質は違うけど、
ここでもやはり「感じてもらえる」ように。
◆テレビCMは・・・
宣伝会議賞抜きに、広告効果だけを考えれば、
使用シーンの最初と最後を描けばいいのでは。
睡眠中は暗転で表現して飛ばすことにして。
これが15秒に収まれば効くんじゃないかな。
宣伝会議賞的アイデアの有効性を感じません。
◆注意事項
医薬部外品の課題なので、この資料もご参考に。
特に宣伝会議賞で問題になりそうな部分を抜粋。
『医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について』
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/0000179263.pdf
(5)使用体験談等について
愛用者の感謝状、感謝の言葉等の例示及び「私も使っています。」等使
用経験又は体験談的広告は、客観的裏付けとはなりえず、かえって消費者
に対し効能効果等又は安全性について誤解を与えるおそれがあるため以
下の場合を除き行ってはならない。
なお、いずれの場合も過度な表現や保証的な表現とならないよう注意す
ること。
①目薬、外皮用剤及び化粧品等の広告で使用感を説明する場合
ただし、使用感のみを特に強調する広告は、消費者に当該製品の使用目
的を誤らせるおそれがあるため行わないこと。
②タレントが単に製品の説明や呈示を行う場合
(21ページより引用)
こういう規制があるからというのもあるけど、
それ以前に、エピソードの一般性については、
消費者にとっての妥当性を検討してほしい。
(1)誹謗広告について
本項に抵触する表現例としては、次のようなものがある。
①他社の製品の品質等について実際のものより悪く表現する場合
例:「他社の口紅は流行おくれのものばかりである。」
②他社の製品の内容について事実を表現した場合
例:「どこでもまだ××式製造方法です。」
(2)「比較広告」について
① 漠然と比較する場合であっても、本基準第4の3(5)「効能効果等又
は安全性を保証する表現の禁止」に抵触するおそれがあるため注意する
こと。
② 製品同士の比較広告を行う場合は、自社製品の範囲で、その対照製品
の名称を明示する場合に限定し、明示的、暗示的を問わず他社製品との
比較広告は行わないこと。この場合でも説明不足にならないよう十分に
注意すること。
(28ページより引用)
上記の比較禁止の根拠は、おそらくこれでしょう。
宣伝会議賞では、実用価値がすべてではない。
それでも、このような制約の中で何ができるか、
そこに挑戦する方が価値が高いと思っています。
根拠が怪しい作り話は、怪しい宗教の勧誘の人に。
次回は、「39.日本数学検定協会」。