宣伝会議賞の哲学

宣伝会議賞を通して、コピーライティングのあるべき姿を考えていきます。

第56回宣伝会議賞 課題分析 41.バスクリン

「課題分析シリーズ」、第41回は、バスクリン

 

◆これも「医薬部外品

特に明記されていませんが、「医薬部外品」です。
というわけで、課題38の記事の内容もご参考に
比較広告や体験談は、出題企業は選ばないはず。

 

◆競合を意識するか?

上記の理由で、直接的な比較は避けたい。
ただ、使っていない人も少なくはないけど、
市場の成長には期待しにくい商品ジャンル。
競合はかなり意識せざるを得ないのでは。
実際、それはオリエンからも読み取れます。

 

◆主要競合商品

炭酸系では、花王の『バブ』アース製薬の『温泡』
非炭酸系では、アース製薬の『バスロマン』でしょう。

主な入浴剤の種類と特長は、下記を参考に。
アース製薬のウェブサイトですが・・・。

https://www.earth.jp/bath/index.html

もっとも、炭酸系を常用している人は、
非炭酸系にはなかなか変えないような。
実際には競合していないかもしれない。
となると、『バスロマン』ですが・・・。

https://www.nikkei.com/article/DGXNASDD270MC_X21C11A2TJ1000/
https://www.yakuji.co.jp/entry66824.html

バスクリン』と『バスロマン』を見て、
その見た目のあまりの類似性の高さに、
なぜ問題にならないのか不思議でしたが、
上記の記事を見て、疑問が氷解しました。
商品名は元々なんでしょうけど・・・。

つまり、『バスロマン』のシェアを奪っても、
グループの経営の観点からは意味がない。

あれ、結局のところ競合を意識するべきか否か、
なんだかよく分からなくなってきましたね。

結論としては、比較してどうこうというより、
バスクリン自身のブランド力を高めるような、
そういう方向性で考えておけばよいのでは。
入浴剤を新たに使い始める人もいるだろうし、
競合商品は他にもありますしね・・・。

 

バスクリンのブランドイメージ

これは、課題やオリエンに反映されていますね。
「家族を思って選べば、やっぱりバスクリン。」
一般的なイメージでも実際に使ってみた印象でも、
「家族を思って」が最も似合うのはバスクリン

課題17の『伊右衛門』ほどではないけど、
既存のブランドイメージは活かした方がいい
というか、このイメージに沿って作れば、
上記の競合との関係で悩む必要はなさそう。

 

◆「想い+シズル」を

というわけで、家族絡みのシーンが主流かな。
ただし、シーンから「想い」が伝わるものを。
また、「作りました」という感じは避けたい。
お風呂には、ややこしさより素朴さでしょ。

似たり寄ったりのものが多くなりそうですね。
その中で抜け出すには、「シズル」が欲しい。
説明的にならず、感覚に直接訴えるような。

商品が介在しなくても成立するような、
「お風呂あるある」はいただけません。

 

次回は、「42.パナソニック」。