宣伝会議賞の哲学

宣伝会議賞を通して、コピーライティングのあるべき姿を考えていきます。

第56回宣伝会議賞 課題分析 48.三井製糖

「課題分析シリーズ」、第48回は、三井製糖

 

◆課題は「新商品」

課題は「パラチノース」自体ではないので注意。
例えば井村屋の「スポーツようかんプラス」とか、
そういうのを持ち出すのは課題から外れていそう。
「次世代のスタンダード」にふさわしいものを。

 

◆どこまで言えるのか

課題やオリエンにも明記されている通り、
言えることにかなりの制約があります。

それでも、いわゆる「スローカロリー」
すなわち、ゆっくり吸収・消化されること、
そこまでは言えるし、そこを伝えるべき。
ウェブサイトのパラチノースの情報でも、
この線に沿った説明になっていますし。

また、ターゲットの属性を考慮すると、
ある程度の関心と知識を期待できる
それが体にいいことは理解されそう。

 

◆怪しい作り話は不可

「直接的に効能効果を保証するような表現」
がダメなら、効能効果から派生する話もダメ
そのバリエーションをいくら考えてもムダ。
「砂糖を変えた。○○になった。」みたいな、
一般性や蓋然性を感じさせない文体は特に。
実際には一般性も蓋然性もある内容でも。

 

◆商品名を狙え

本課題の商品、商品名は未定なのでは。
ならば、商品名にもなれば価値が高そう

ちなみに、そこで思い出したのが、これ。

『北のいいとこ牛(ぎゅ)っとバーガー』
http://www.mcd-holdings.co.jp/news/2016/promotion/promo0222a.html

あれ、応募数が宣伝会議賞の約10倍・・・。
これ、「名前募集」の公募だったのですが、
キャッチフレーズとしても機能しそうでしょ。
宣伝会議賞では高く評価されなさそうだけど。
商品の特長も商品に込めた想いも伝わるし、
特殊ではないけど、特別感がありませんか?

「次世代のスタンダード」を目指す本課題では、
特別感をどれくらい出すべきかは微妙だけど、
特長が伝わる親しみやすい商品名を作れば、
実はキャッチフレーズにもなっているかも。

 

次回は、「49.三菱一号館美術館」。