宣伝会議賞の哲学

宣伝会議賞を通して、コピーライティングのあるべき姿を考えていきます。

第55回宣伝会議賞 協賛企業賞 感想

遅くなってしまいましたが、協賛企業賞の感想を。
前回まではウェブサイトにも出ていたような気が。
今回はなぜかなくて、昨日やっと確認しました。

 

まずは、全体的な印象から・・・。

 

平均点が極めて高い!

 

少なくともSKAT発刊以降では最高では。
いわゆる「難しい課題」での健闘が目立ち、
「ハズレ」が例年よりかなり少ないだけでなく、
上位の作品も粒ぞろいではないでしょうか。
シンプルなものが増えていることにも好印象。

まあ、期待値が高かった課題であれっ?というのもあったけど・・・。

 

では、私がいいと思った作品を個別に。(順不同)

 

1.アウディ ジャパン
このアイデアはまったく思いつきませんでした。
「クルマといえば」のシンプルさも好きです。
価値訴求ではなく認知度や存在感を高めるためなら
こういう大喜利的な遊びも有効だと思っています。
できれば繰り返し使えるもの、と思っていたけれど、
これは一度きりでも、ロゴを見るたび思い出しそう
宣伝会議賞における私の中での基準のひとつに、
「類似作が作れそうにない」というのがあって、
この作品はその観点からは歴代最高級かも。

 

4.イエシル
感情への働きかけ方がお見事。

 

34.日本中央競馬会
競馬一般ではないダービー固有の要素を入れつつ、
競馬未経験者にも共感しうる、課題に忠実な作品。

 

41.マネックス証券
理気味に思えた課題だけど、的確な落とし所で成立。
「トレーダー感」をこれより押し出すと無理があり、
これより抑えると「投資家一般」になってしまいがち。
「トレーダー固有の態度」とまでは言えないけど、
「トレーダー寄りの態度」なのは間違いない。
また、あくまでも「チャンス」と言っているだけで、
「儲かった」とは言っていないのも真っ当な選択。
不自然さもなく、上手く成立させたな、と感心。

 

44.ヤフー
ヤフー固有なのかは微妙だけど、メジャーだからまあいいか。
それだけ歴史に残る仕事のチャンスに恵まれるってことで。
それに、言っていることの大きさの方が上回りそうだし。
キャッチフレーズは、これくらいのスケールの方がいい。
ボディーで言えばいいことをややこしく言う作品の対極

 

ただ、私が高評価したこれらの作品のどれひとつとして、
三次審査すら通過していないようなのですよ・・・。
もっとすばらしい作品が多数あるってことなのか、
それとも審査員の評価基準がずれているのか・・・。

 

は???、いや、「私の評価がおかしい」とかいうのは、
このブログ的には「なし」ということにしております・・・。

 

これまでは正直、審査結果には失望の方が多かったし、
このブログでも、批判的な記事もかなり書いてきました。
今回、これだけポジティブな評価を書けるとは予想外

自分の作品が土俵に上らなかった悔しさはあるけど、
宣伝会議賞にとっては、面目躍如といったところで、
なんだか私自身も、ちょっと希望が湧いてきました

 

というわけで、受賞者の皆様・・・

 

おめでとうございます!

 

そして・・・

 

ありがとうございます!

 

ファイナリスト作品、なかなか発表されませんね・・・。