宣伝会議賞の哲学

宣伝会議賞を通して、コピーライティングのあるべき姿を考えていきます。

第56回宣伝会議賞 課題分析 50.明治座

「課題分析シリーズ」、第50回は、明治座

 

◆「認知度100%」とは?

課題の文言は、少なくとも一旦は真に受けたい。
ただ、本課題では母集団がいまひとつ不明確。
課題の主文言の「全国での認知度が」からは、
「世代を問わず日本全国で」と考えられますが、
その母集団で本当に認知度60%もあるのかな?
また、文字通りの「100%」は非現実的では。

とはいえ、その「こころ」は分かりますよね。
「東京タワーや東京ドームと同じ程度」でしょ。
ちゃんとこの目標を頭に入れて制作しないと。

 

◆現状打破を目指して

出題企業の調査が妥当だとすればですが、
60%という低くない認知度が既にある。
これは、飽和状態に近い数字なのでは。

ありきたりなものでは、壁は越えられない。
「それで認知されるなら既にされている」
みたいなのは無効と思っておいた方がいい。

 

◆キャンペーン向きのものを

さらに、「認知度100%」を目指すのなら、
継続的なキャンペーンはほぼ必須なのでは。

「100%」と言えば、認知度ではないけど、
第53回出題のエヌ・シー・エヌの課題。
これも、本気で課題解決を考えるのであれば、
キャンペーンコピーがまず必要だったのでは。
実際、出題企業が協賛企業賞に選出した作品は、
一次審査通過作品の中ではその基準に合うもの。

応募者や審査員は、そこをどう考えているのか。
「いろいろつぶやく練習」と思っているのかな。

 

◆広告を見ない人でも

また、「認知度100%」には、拡散も必要
人に話したくなるとか流行語になりそうとか、
何かしらそういう要素を組み込んでおきたい。
大手メディアでの露出は絶対的に必要なはず。

日常的な露出機会の獲得までつながれば最高。
東京タワーや東京ドームは、それができてる。
そこまで行くには圧倒的な存在感が必要ですが、
それを目指さなければ目標達成は無理でしょ。

 

◆中身については・・・

文化放送ラジオCMコンテストの「聴戦ガイド」をご参考に。

http://philosophies-of-ska.hatenablog.jp/entry/2018/11/13/220000

 

◆「こじんまり」禁止

飽和気味の現状と高い目標設定を考えれば、
小さい話じゃ目標は達成できないはずでしょ。
太い軸のあるキャンペーンを設計してほしい。
その観点からは、本課題は作品意図も重要。
なぜその軸なのかとか、軸の周りのこととか。

 

次回は、「51.メルカリ」。