宣伝会議賞の哲学

宣伝会議賞を通して、コピーライティングのあるべき姿を考えていきます。

The Birth of WORDirect

突然ですが、ADreamあらため・・・・・、 WORDirectです。 「アド夢見ました」と言い続けても、どうやら何ももらえそうにない私は、公募賞への参加には区切りをつけて、別の形でことばの力を活かせるような、新たな方向に進んでみることにします。 ことばの…

The End of ADream

今回は、このブログの更新を終えるにあたり、宣伝会議賞への挑戦と、このブログのことを、簡単ではありますが、総括しておきます。 宣伝会議賞に参加することになったきっかけは、本職の技術文書の翻訳の仕事が減っていた頃に、何か新しいことを始めようと思…

宣哲版 「最後のゼミ」

このブログの寿命も、いよいよ残り少なくなりました。お別れの挨拶的なものを除けば、これが最後の記事です。 そこで、いわゆる「最後の授業」になぞらえた記事を。といっても、『宣伝会議賞の哲学』の精神によれば、「授業」ではなく「ゼミ」ということにな…

SKAT 18 or PoShAT 2 ?

前回に続き、今回も応募作品を公開します。 前回は応募作品を自己審査までしたのですが、今回はもう気力がないので自己審査はなし。 前回と同じく、私が応募した全作品はもちろん、作品意図、さらには作者コメントもつけました。 では、下記のリンクにアクセ…

青おにはなぜいなくなったのか?       『泣いた赤おに』をめぐる一考察 その5

前回まで4回に渡って、『泣いた赤おに』の解釈について、「紫おに」説と、付随する「赤おに化」説を提示しました。今日は、その後書き的なものを書いて終わりにします。 そもそも、なぜこんな記事を書いてみようと思ったのか。 実は、「紫おに」説は、5年…

青おにはなぜいなくなったのか?       『泣いた赤おに』をめぐる一考察 その4

前回に引き続き、『泣いた赤おに』の解釈の話。 前回書いたように、原作版と絵本版の違いからは、原作版とは見事に整合性がある「紫おに」説を、絵本版は一見ことごとく否定しているようです。 「紫おに」説は、捨てるにはあまりにも惜しく、この点について…

青おにはなぜいなくなったのか?       『泣いた赤おに』をめぐる一考察 その3

前回に引き続き、『泣いた赤おに』の解釈の話。 前回は、原作版を基に、「紫おに」説を提示しました。が、絵本版を読むと、実はこの説には疑義があるのです。 本考察のきっかけになった『12の物語』では、原作版のあらすじが詳細に紹介されています。それ…

青おにはなぜいなくなったのか?       『泣いた赤おに』をめぐる一考察 その2

前回に引き続き、『泣いた赤おに』の解釈の話。 「青おにはなぜいなくなったのか」の核心は、私はこうなんじゃないかと考えています・・・。 赤おにと青おには、元々は一匹のおにだった。 これを、「紫おに」説と呼ぶことにしましょう。 「一匹のおに」は、…

青おにはなぜいなくなったのか?       『泣いた赤おに』をめぐる一考察 その1

今日からは数回に分けて、宣伝会議賞とは関係ない話。 題材は、『泣いた赤おに』(浜田廣介、1933年)。道徳の授業の教材としてよく使用されているようで、あらすじは知っている人も多いかもしれませんが、後述の「絵本版」のカバーから引用しておきます…

第56回宣伝会議賞 一次審査通過者発表

本日、第56回宣伝会議賞の一次審査通過者が発表されました。 各課題1本ずつの計54作品を応募した、私、ADreamの通過本数は・・・・・ 0 「まる」じゃないです。かわいい感じの絵文字でもないです。 またしても、一次審査で全滅しました。 「グランドス…

あけおめ。

新年あけましておめでとうございます。 『宣伝会議賞の哲学』、ほぼ冬眠中ですが、今年もよろしく・・・、あれ、違うか。 結果に関わらず、宣伝会議賞は今回で最後の応募。必然的に、このブログも遠からず最期を迎えます。それまでは、いわば「ブログ終活」…

第12回文化放送ラジオCMコンテスト 結果発表

私も参加した、第12回文化放送ラジオCMコンテスト。最終審査の模様が、昨日の特別番組で放送され・・・ 私、ADreamが、 例によって例のごとく! ノミネートすらされませんでした。 うーん、今後の参加は未定です・・・。 体力不足なので、感想はちょっと…

第56回宣伝会議賞 課題分析 クールダウン

前回の「ご好評」を受けて今回も続けてきた、「第56回宣伝会議賞課題分析シリーズ」、昨日、ますますの「ご好評」をもちまして、54回にわたる本編が終了しました。 うーん、正直、書いていてつらかった・・・。なかなか終わりが見えなかったこと以上に、…

第56回宣伝会議賞 課題分析 54.和田興産

「課題分析シリーズ」、第54回は、和田興産。 ◆「万能マンション自慢」禁止 宣伝会議賞でマンションの課題が出題されると、「何がすごいか分からないがとにかくすごい」、から派生した自慢話がよく続出しますよね。 そのマンションのよさを見つめるのでは…

第56回宣伝会議賞 課題分析 53.ロイヤリティ マーケティング (Ponta)

「課題分析シリーズ」、第53回は、ロイヤリティ マーケティング (Ponta)。 ◆ポイントカードあれこれ 競合等の情報は、以下のウェブページをご参考に。主要競合は「Tポイント」と「Rポイント」、「dポイント」は同じ陣営で相互連携の関係。 https://diam…

第56回宣伝会議賞 課題分析 52.ヤフー

「課題分析シリーズ」、第52回は、ヤフー。 ◆入社か協業か? 課題を見て、まず気になったのがこの点。この疑問に対しては、出題企業の担当者が、この記事で答えてくれているのですが・・・。 https://www.advertimes.com/20181024/article279124/ いや、そ…

第56回宣伝会議賞 課題分析 51.メルカリ

「課題分析シリーズ」、第51回は、メルカリ。 ◆用例を出せばいいのか? 課題3や課題14と課題のタイプが似ている、そう考えた人も多いのではないでしょうか。あくまでも用例の提示が中心になるような。 カクイチやサマリーは、用例から価値が自明。「ホ…

第56回宣伝会議賞 課題分析 50.明治座

「課題分析シリーズ」、第50回は、明治座。 ◆「認知度100%」とは? 課題の文言は、少なくとも一旦は真に受けたい。ただ、本課題では母集団がいまひとつ不明確。課題の主文言の「全国での認知度が」からは、「世代を問わず日本全国で」と考えられますが…

第56回宣伝会議賞 課題分析 49.三菱一号館美術館

「課題分析シリーズ」、第49回は、三菱一号館美術館。 ◆ターゲット 「普段、美術館に行かない」ことに加えて、「丸の内に縁がある」でいいんじゃないかな。 これまで美術館に興味がなかった多くの人が、いきなり全国からこの美術館に殺到する、というのは…

第56回宣伝会議賞 課題分析 48.三井製糖

「課題分析シリーズ」、第48回は、三井製糖。 ◆課題は「新商品」 課題は「パラチノース」自体ではないので注意。例えば井村屋の「スポーツようかんプラス」とか、そういうのを持ち出すのは課題から外れていそう。「次世代のスタンダード」にふさわしいもの…

第56回宣伝会議賞 課題分析 47.富士通

「課題分析シリーズ」、第47回は、富士通。 ◆ポジティブ側かネガティブ側か この点についての私の基本的な考え方は、問題の認知度が低ければネガティブ側。問題の存在が理解されないと伝わらない。 じゃあ本課題はどうかと言えば、微妙。判断の根拠を説明…

第56回宣伝会議賞 課題分析 46.FIXER

「課題分析シリーズ」、第46回は、FIXER。 ◆ボーっと生きてんじゃねーよ! 今回の課題に入る前に、まずはここから。同社の前回の課題の一次審査結果について。 前回のオリエンのポイント2からの引用。 企業におけるクラウド利用はもはや当たり前の選択と…

第56回宣伝会議賞 課題分析 45.PR TIMES (PR TIMES)

「課題分析シリーズ」、第45回は、PR TIMES (PR TIMES)。 ◆サービスの概要 なじみのないサービスなので、ここから。 ・プレスリリース配信機能 選択したマスメディア・ウェブメディアと、 会員記者・編集者にプレスリリースを配信。 メディアは300媒体…

第56回宣伝会議賞 課題分析 44.PR TIMES (Jooto)

「課題分析シリーズ」、第44回は、PR TIMES (Jooto)。 ◆エピソードか一般論か 課題中のあるある的なエピソードか、それとも一般論で気付きを与えるか。本課題は第53回のサントリーの課題と、この点で課題の構造が類似しています。 当該課題の一次審査通…

第56回宣伝会議賞 課題分析 43.ハピネット

「課題分析シリーズ」、第43回は、ハピネット。 ◆「実はあなたの役に立っています」は効くのか? 課題40の分析でも扱った、この論点。本課題も、課題の構造が類似しています。というわけで、ほぼ同じ内容ですが・・・。 この企業のこと、知って嬉しいで…

第56回宣伝会議賞 課題分析 42.パナソニック

「課題分析シリーズ」、第42回は、パナソニック。 ◆出題企業の現状 大雑把にいえば、家電から車載や住宅へシフト中。車載事業では、特に車載電池への期待が大きい。この辺りは、いろいろ検索してみてください。 ◆「幅広い事業フィールド」の真意は? 幅の…

第56回宣伝会議賞 課題分析 41.バスクリン

「課題分析シリーズ」、第41回は、バスクリン。 ◆これも「医薬部外品」 特に明記されていませんが、「医薬部外品」です。というわけで、課題38の記事の内容もご参考に。比較広告や体験談は、出題企業は選ばないはず。 ◆競合を意識するか? 上記の理由で…

第56回宣伝会議賞 課題分析 40.日本レジストリサービス

「課題分析シリーズ」、第40回は、日本レジストリサービス。 ◆「実はあなたの役に立っています」は効くのか? ここまでの多くの企業広告の課題の分析では、「サービス精神」の重要性を強調してきました。本課題でも、そのスタンスは変わりません。 例えば…

第56回宣伝会議賞 課題分析 39.日本数学検定協会

「課題分析シリーズ」、第39回は、日本数学検定協会。 ◆理想的な課題 宣伝会議賞の課題としては優等生ですね。テーマが分かりやすく、大目的が明確で、かつ有効なアプローチがいろいろありそう。オリエンも、見事としか言いようがない。価値あるアウトプッ…

第56回宣伝会議賞 課題分析 38.日本アルコン

「課題分析シリーズ」、第38回は、日本アルコン。 ◆競合優位性 私はコンタクトレンズを使ったことはないですし、一般的なケアがどういうものか分からないので、課題商品のAmazonのレビューを参考にしました。 すると、「面倒じゃなくて楽」がとにかく多い…