宣伝会議賞の哲学

宣伝会議賞を通して、コピーライティングのあるべき姿を考えていきます。

第56回宣伝会議賞 課題分析 11.工学院大学

「課題分析シリーズ」、第11回は、工学院大学

 

◆「思わず志す」ものなのか?

まあ、そういうツッコミもあるでしょうが、
オリエンのポイント1にもあるように、
「きっかけに繋がるような」ってことで。

 

◆ターゲットの具体像は?

「女子高校生全般」を想定するのではなく、
まだ理系を志望すると決めていないけど、
実は理系を志望することで道が開けそうな、
かくかくしかじかな女子高校生もいるのでは、
そう考える方が、効きやすいかもしれません。
全員が理系を志す必要はないわけですし。

 

◆「競合」を否定しても・・・

文系を否定してみてもしょうがない。
文系がダメだから理系を、じゃなくて、
理系の魅力に気付いてもらえるように

また、「理系」は「工学」だとして、
医学部と比較するのもいただけない
特に、医学部入試の差別に絡めるとか。
それは社会が解決するべき問題であって、
工学の広告で利用する訴求点じゃない。

 

◆材料は?

大まかに、次の3つに分けられるのでは。

・工学と身近なこととの関わりの事例
 女子高校生が興味を持ちそうな領域で、
 マイナーすぎない事例が見つかれば有力。

・理系の学生生活への期待
 理系ならではの学生生活のよさは?
 設備が必要な実験ができるとかかな。
 「女子だからこそ」かは疑問だけど。

・工学に関する社会的テーマ
 工学への社会的な期待とかでしょうか。
 ただ、「女子高校生」とどう絡めるか。
 「ダイバーシティー」もここかな。
 が、それ自体は理系じゃなくても成立。
 あくまでも、「理系」と絡めないと。

 

◆NGは?

女子学生の意識を低く見るようなもの。
「わあ、イケメンばっかりだわ!」とか、
志は低いわ嘘くさいわ、みたいな。
異性への関心はあってもいいんだけど、
この課題では学生の本分につなげないと

 

◆「指摘する」だけじゃなくて・・・

ついつい「発見」を説明したくなるけど、
発見自体よりも、その発見に基づいた、
「ワクワク感」につながるような表現を。

 

◆出題そのものへの疑問

この課題みたいな出題の仕方をされると、
ついつい女子固有の志望動機を探しちゃう。
でも、そこ自体をいったんは疑ってみたい

女子の比率が少ないのは事実なので、
何かを変える必要はあるだろうけど、
女子固有の志望動機が必要なのか?

なんとなくそう思い込んでいるだけかも。
出題側も、ターゲットの女子高校生さえも。

 

次回は、「12.構造計画研究所」。