宣伝会議賞の哲学

宣伝会議賞を通して、コピーライティングのあるべき姿を考えていきます。

課題分析 22.品川区

第55回宣伝会議賞課題分析シリーズ、第22回は・・・

 

22.品川区
魅力いっぱいなのに伝えきれていない
品川区を強烈にアピールするアイデア

 

まず、課題分析に入る前に、これを紹介。

全国シティプロモーションサミット
https://www.sendenkaigi.com/event/cp-summit/

こういうご縁もあっての出題ってことで。
中村禎さんのセミナーもあったようです。

 

品川区のシティプロモーション事業自体は、
平成27年度から始まったとのことですが、
それ以前から、その素地はあったのでは

先進的な取り組みをしている自治体ですから、
それにふさわしい作品を応募したいところ。

 

ただ、課題とオリエンの整合性に疑問が。

オリエンのポイント③を文字通りに読むと、
課題に書かれている魅力は不可ってことに。
でも、おそらくそういう意図ではなさそう

「魅力いっぱいなのに伝えきれていない」、
なら、既知の魅力も伝えなきゃいけない
新たな伝え方で「強烈にアピール」できれば、
それはそれで価値はあるはずですよね。

ただ、それだけでは限界がありそうなので、
ぜひ「新たな魅力の掘り起こし」も、と。
そっちがより高く評価される、ってことで。

 

では、具体的にどういうものがいいのか?
イメージが湧きにくいので、ダメな方から。

 

例えば、「品川駅は品川区じゃない」
テレビか何かで偶然見て知っていました。
たしかに、ちょっと面白いかもしれない。
でも、広告費を使ってまで伝えたいか?

それに、品川区の人は知っているはずで、
宣伝会議賞での提案としての価値も低い

そういう「小ネタ系」は、感心しない。
『品川区あるある』なんて本もあるし。

 

それから、作り話系も注意すべきかと。
品川区の住民以外の大多数の人にとって、
他の区との境界なんてどうでもいい
谷山雅計さんの『読本』に出てくる、
「アイラブ東日本」みたいなのはダメ

 

また、自虐はウケるかもしれないけど、
それで果たしてどんな効果があるのか?

例えば、島根県の自虐シリーズであれば、
県外の人から見た認知度とか存在感とか、
県民の愛着とかを高める効果がありそう。
でも、品川区の場合は違うような気が

 

というわけで、何がダメかは分かるけど、
何がいいかは、出されて初めて分かる感じ。

こういう時は、基本に戻って・・・

・品川区を新しい光で照らす
・品川区に何かを残す

作る側も審査する側も、そういう基準で。
難しいけど、地道に考えるしかない。

 

実際に広告を出す場合は、税金を使うわけで。
区民オンブズマンに問題にされないように。

宣伝会議賞への協賛自体が問題にされませんように・・・。

 

明日は、「課題23.セゾン自動車火災保険」。