宣伝会議賞の哲学

宣伝会議賞を通して、コピーライティングのあるべき姿を考えていきます。

第56回宣伝会議賞 課題分析 29.ディーエムソリューションズ

「課題分析シリーズ」、第29回は、ディーエムソリューションズ

 

◆ターゲット

まずは、ターゲットを確認しておくと、
チケットを購入する側の人ではなくて、
イベントを主催する側の人ですよね。

多くの購入者に利便性が伝われば、
間接的に導入増につながるとしても、
まずは主催者側に利便性を伝えたい。

 

◆基本的な戦略

この特定のサービスの認知度以前に、
こういう種類のサービスの存在自体、
まだあまり知られていないのでは。
しかも、ターゲットの一般性も低い
分かりにくいものは無視されそう。
あまり細かい訴求点に基づくものも、
広告の出し方にもよるだろうけど、
自分に関係があると気付きにくそう。

サービスの詳細をあれこれ言う前に、
自分に関係があると気付いてもらう
本課題では、まずはそれが大事では。

 

◆どんなイベント?

本サービス向きのイベントの性質は?

座席の指定まで必要になるような、
そういう本格的なものではなさそう。

でも、決して小規模限定ではない。
サービスのウェブサイトの事例では、
「展示会」の例もありますしね。
一定期間継続開催されるイベントと、
特に親和性が高いようにも思えます。
データ集計とかSNS拡散とか。

また、サービスの料金を回収するには、
それなりの利益につながることが必要。
初期費用3万円から、利用料5万円から、
ということで、詳細は不明なのですが、
極端に小規模なものは現実的ではない。
まあ、明確な境界線はないとしても。

ただ、チケットに課金するとは限らず
チケットで集客して売上につなげるとか、
イベント自体の販促効果に期待できるとか。

 

◆実はそもそも・・・

この分析を書く過程で、ひとつの疑問が。
このサービスに、課金機能はあるのか?
応募期間中は、疑いもしませんでした。
「チケット」なのだから、当然のことと。

が、課金機能自体はどこにも説明がない
実際、サービスのウェブサイトの事例では、
セミナー」「展示会」「イベント」は、
無料ということだってありえるわけで、
ファミリーセール」は課金はなし。

課金機能、あるだろうとは思いつつ、
私は確信が持てなくなっています
あるとしても、機能の説明を読むと、
むしろ課金なしの用途が主流かも

 

◆紙のチケットとの併用は?

対象となるイベントの性質に関連して、
この点も少し検討しておきましょう。

スマホ 普及率」で検索してみると、
若者世代90%、シニア世代50%、
全体でも80%を超えていそうです。

じゃあ、スマホを使っていない人は?
「ごめんなさい」ということにするか、
紙のチケットも併用するかですよね。

このうち、紙のチケットとの併用では、
サービスの有効性がかなり失われそう
大規模なら、電子化された分だけでも、
十分な効果は見込めるのでしょうが。

となると、「ごめんなさい」の方か。
が、お金を払って参加するイベントで、
「ごめんなさい」ではちょっと・・・。
いくらスマホの普及率が高いとしても、
未利用の人を排除していい程ではない
この観点からも、非課金中心のような。

 

◆ちなみに・・・

サービス料金の回収の問題さえなければ、
「チケット」以外の用途もあるのかも。
例えば、招待状とか、出席確認とか。
ただ、発想のヒントにはなるとしても、
それ自体には料金は払わないですかね。

 

次回は、「30.伝統的工芸品産業振興協会」。