宣伝会議賞の哲学

宣伝会議賞を通して、コピーライティングのあるべき姿を考えていきます。

第56回宣伝会議賞 課題分析 35.日通商事

「課題分析シリーズ」、第35回は、日通商事

 

◆「鶏が先か卵が先か」問題

課題のテーマは、"ALOZ"というシンボル
日通商事のサービスではありませんよね。
このシンボルを広く浸透させることで、
サービスが伝わりやすくなるという狙い。

じゃあ逆に、シンボルを浸透させるために、
サービスの中身を材料にしてもいいのか?
なんとなく「論点先取」っぽいような
ちょっと考え込んでしまいました・・・。

 

◆"ALOZ"に込められているものを

課題の趣旨は、こういうことになるのでは。
"A to Z Logistics Solutions"も含めて、
"ALOZ"自体にメッセージが込められている
それを広く印象的に伝えるにはどうするか?
サービスの細かい中身に入り込みすぎず。

では、そのメッセージの中身は何かと言えば、
「ワンストップサービス」による価値の提供

http://www.nittsushoji.co.jp/advantage/index.html

特殊な「切り口」とかは不要だと思います。
シンボルに込められた強みをシンプルに

 

◆テレビCMの場合

テレビCMなら、視覚的大喜利もあるかも。
これならシンボル自体をフィーチャーできる。
ただ、何かしらの価値とセットにしないと、
記憶にも残りにくいし成果も出ないのでは。

 

◆キャッチフレーズ/ラジオCMの場合

シンボル自体をフィーチャーするのであれば、
ことば遊び系にならざるを得ないような。
それでも印象に残ればいいのかもしれない。
ただ、テレビCMの場合以上に難しそう。

込められたメッセージに力点を置くなら、
それでもシンボルを記憶に残すことを意識。
ただ、この部分には特別なアイデアは不要。
ラジオCMなら、出し方のテクニックで。
キャッチフレーズなら、作品云々よりも、
レイアウトで何とでもなりそうな気が。
無理にキャッチ内部で解決しなくても。

 

◆事例やエピソードは有効か?

前述の通り、出題企業としてはおそらく、
太い「軸」の方を表現して欲しいのでは。

ただ、特にキャッチフレーズの場合は、
どうせ他のパーツも必要になるはずで、
キャッチでは「吸引力」を優先する手も
事例やエピソードも全否定まではできず。
"ALOZ"の核心につながれば、ですが。
でも、そっちは作る価値が低いような。
出題企業自身が考えても大差なさそう。
必要なのは、「軸」を伝えることばでは。

 

◆「問い」か「答え」か?

「答え」の方は普通に言えばいいなら、
「問い」の方を上手く設計すればいい。
「物流ややこしすぎない?」的な方向。
でも、私としては「答え」の方を推奨。
上記のウェブページの表現のままより、
もっとシンプルに伝わる表現を探したい。

 

次回は、「36.日本ガイシ」。