宣伝会議賞の哲学

宣伝会議賞を通して、コピーライティングのあるべき姿を考えていきます。

第56回宣伝会議賞 課題分析 36.日本ガイシ

「課題分析シリーズ」、第36回は、日本ガイシ

 

◆再び「鶏が先か卵が先か」問題

課題35の分析でも取り上げた、この論点。

「クロコくん」が脚光を浴びる結果として、
出題企業のことが伝わりやすくなる狙い。

じゃあ逆に、脚光を浴びてもらうために、
出題企業の事業を材料にしてもいいのか?

 

◆課題35との違い

ただ、本課題が課題35とちょっと違うのは、
「クロコくん」自身のキャラクター性の存在。
もちろん、企業姿勢を反映してはいるけれど、
それは「クロコくん」自身の一部でもあるし、
そこだけが「クロコくん」のすべてでもない。

というわけで、課題35よりは考えやすいか。
「キャラクター性を活かす」方向でよさそう。

 

◆とはいえ・・・

『「クロコくん」が脚光を浴びる表現』
というのが課題の主文言ではありますが、
出題企業は、オリエンの内容から察するに、
企業姿勢や事業とのつながりを求めていそう。

まあ、考えてみれば、そりゃそうでしょう。
注目してもらえるなら何でもいいとすれば、
ふなっしーみたいに飛び跳ねればいい。
あれぞ正に「クリエイティブ・ジャンプ」
本課題は、そういうことではなさそうです。

 

◆技術の中身まで踏み込むか

オリエンのポイント3、ここまでできるかな?
出題企業がちょっと欲張りすぎているような。
特にキャッチフレーズでは、そこまでは難しい。
「クロコくん」フィーチャーを優先した方が。
CMなら可能としても、説明的なのは避けたい。

 

◆実際のCMは・・・

企業ウェブサイトの「広告ギャラリー」にある、
『ボクらはクロコ』のテレビCMシリーズは、
「あえてスポットライトを当てた」ではない。
むしろ、「ご出演いただいた」感じのもの。
しかも説明的で、文字情報は誰も読まなそう。
今回の課題では、避けるべき典型例でしょう。

 

◆フィーチャーするには・・・

キャッチフレーズなら、「クロコくん」自身に、
何かセリフを言わせてみるのが有力でしょうか。
「おしえてクロコくん!」風の説明ではなく、
働く「クロコくん」の生の声を聴いてみたい。
当然、クロコくんはビジュアルに入る前提。
CMの場合も、働く「クロコくん」の姿を。

いずれの場合も、技術の中身まで踏み込むなら、
「クロコくん」が製品になりきるという手も。
ただ、「ボクがいなきゃダメだ」みたいなのは、
一般的すぎて何にでも該当するとつまらない
あ、そうか、このアプローチを採用するなら、
むしろ技術の中身に踏み込んだ方がいいかな。

 

次回は、「37.日本触媒」。