宣伝会議賞の哲学

宣伝会議賞を通して、コピーライティングのあるべき姿を考えていきます。

第56回宣伝会議賞 課題分析 2.OpenStreet (HELLO CYCLING)

「課題分析シリーズ」、第2回は、OpenStreet (HELLO CYCLING)

 

◆普通に言えば伝わることも・・・

借りる場所と返す場所が別でもいいとか、
それ自体は、普通に言えば伝わりそう。
というか、「シェアサイクル」と言えば、
多くの人は想像できそうな気もします。
ベネフィットも、ある程度は分かりそう。
サービスの認知度がまだ低いだけの話で。
単純に興味を高めることも考えてみたい。

 

◆「あるある」よりも・・・

まださほど認知度は高くなさそうですし、
現状の問題を描写する「あるある」より、
利用する方を描いた方がよいと思います。

そもそも、「あるある」の作用機序って?

ECCなんかの「あるある」を見てると、
なんだかへらへらした感じの言い方で、
現状を容認しちゃってる感じのものや、
受け手をばかにしている感じのものも。
「英語を話せるようになろう」よりも、
「あるあるって楽しいね」みたいな。
「永久に英語が話せないままでいて」
それが多くの応募者の本音に思えたり。
その方が、書き続けられますしね・・・。

「いっしょにもっと幸せになりませんか」
という方向へのメッセージを伝えないと。

 

◆狙いを明確に

いろいろ作りやすそうな課題ではある。
それだけに、しっかり狙いを定めたい。

・気楽に試してもらえるよう背中を押す
 何か実用的な目的が必要とは限らない。
 料金も安いですし、これもありでしょう。
 「いつでも どこでも 気軽に使える」
 を、心理的な側面から補完するような。

・一般的なベネフィットによる説得
 上記の通り、ある程度想像できそうだし、
 この場合は、かなりの説得力を求めたい。
 いわゆる競合は、あまり考えなくてよさそう。
 まだまだ拡大の余地があるサービスなので。
 いわゆるじゃない競合の方を主に考えたい。
 主に、公共交通機関やタクシーでしょうか。

・実例で関心を高める
 「ここからここまで」ぐらいの具体性で、
 「ほらね、いいでしょ」と示してみせる。
 この場合は、おもしろいものがよさそう。
 「だったら自分の場合はどうだろう」
 と考えたり調べたりしてもらえれば理想。
 これがこの課題の本命と予想しておきます。

・社会的・文化的な考え方の提案
 オリエンに「新しい時代の潮流」とあるし、
 そういう広い視野に立ったものもありでは。
 直接的に利用を提案するのではなくて、
 「こんな世の中にしましょう」という、
 広告というよりはPR的な感じのもの。

いずれの場合も、楽しい感じは欲しい。

 

◆掲出場所は?

仮にグラフィック広告を想定するとして、
それをどこに掲出するのかも考えてみたい。
「ステーション」なのか、交通広告なのか。
それによって、効果も変わるかもしれない。
作品意図に書いてあるとよいと思います。
交通広告なら、けんかを売ってみる手も。

 

次回は、「3.カクイチ」。