宣伝会議賞の哲学

宣伝会議賞を通して、コピーライティングのあるべき姿を考えていきます。

第56回宣伝会議賞 課題分析 7.京セラ

「課題分析シリーズ」、第7回は、京セラ

 

◆目的を明確に

オリエンのポイント3にもあるように、
「制限は特にありません」とのこと。

つまり、何をやってもいいのだけれど、
どんな変化を起こそうとしているのか?
そこは応募者側が設定しなきゃいけない。
「魅力的に伝える」をもう少し具体的に。

何となく気付いたことを言ってみても、
「それで?」となってしまいがちだし。

 

◆商品広告ではなくて企業広告

「取扱い製品を幅広く/ピンポイントで」の場合、
「京セラがどんな会社なのか」が伝わるように
製品を売ることが直接の目的ではないことに注意。
製品ジャンルも「どんな会社なのか」の一部だけど、
その向こうの「企業人格」が垣間見えるような。

「幅広く」の場合は、単なるオムニバスではねえ。
この場合は特に、上記の目的の設定が鍵になりそう。

「ピンポイント」の場合は、メジャーなものを。
ファインセラミックスがその最たる例かな。
マイナーな選択は、企業にそういう印象を与える。
「他の応募者が選びそうにないから」だけではねえ。
あえてそれを選択した狙いがあればいいのですが。

 

◆製品以外の材料は?

製品以外となると、稲盛和夫名誉会長関連か。
アメーバ経営」とか、そっち方面のテーマ。
著作も多いので、読めばヒントが見つかるかも。
ただし、礼賛調にはなりすぎないようにね。

「京セラドーム」は、ネタとしてはかなり有力
課題を見たときは冗談だろうと思っていましたが、
オリエンのポイント2を読むと、けっこうマジ。
これも、それを何につなげるのか、目的の設定を。

 

◆スルーされないように

「いいことやってまっせ」は、当たり前でしょ。
受け手にとっては、広告の背景色みたいなもの。
背景色に背景色を重ねてみてもしょうがない。
その上にどんな「画」を描くかが問題であって。

「エッジの効いたユニークなアイデアを」
という本課題のオリエン、真に受けましょう。
他の課題のオリエンにも似た要求があります。
スルーされて困っている企業が多い証左では。

 

◆キャッチフレーズの役割は?

キャッチフレーズには、「容量」がある。
それだけで課題を解決する必要はないはず。
何を作っているか、それ自体はボディーでも。
「単独でも理解はできるが、それで?」より、
続きを読みたくなり、読んだ後に印象に残る、
その方が課題解決につながりやすい場合も。
宣伝会議賞では主流の考え方じゃないけれど。

 

◆考え方を整理するために

10月号の磯島拓矢さんと河西智彦さんの記事
何か特別なことを言っているわけじゃないけど、
よくまとまっていて、大事なことを確認できます。
「コピーの目的」とか、「企業人格」とか。
このブログを読む暇があったら、そっちを先に。

 

次回は、「8.霧島酒造」。